14日から16日まで、やっと待ちに待った連休です。
夏のギラギラの暑さの中を走らないと、どこかポッカルと空洞が心にできてしまいます。自分でもおかしい気分になってしまいます。きっと、学生時代の夏合宿の記憶がうごめいているのでしょう。
と、いっても今年の夏は「おろおろ歩く」のが正解だといえる冷夏ですから、走っても、どこか「違う!」のかもしれないのですが、走ります。
福山の駅家の町並みの西端の「スサノオ神社」から、出雲大社の境内の一番奥に鎮座するスサノオ神社までが、予定のコースです。その間を古道をたどってみます。
古道と書くと、ふるびて湿気てるとおもわれるかもしれませんが、自転車にピッタリだと思います。そんなバッシとくる道は多くはないのです。有る時突然に現れて、そして車道へ吸い込まれてしまいます。その残影が、広い新しい道の隅にすこし膨らんで残ってると、消えてしまった道を想像してしまいます。一ヶ所にまとめられたお地蔵様をみると、彼たちが点在して道行く人々を見守った時間が想像されるのです。そして、また古道が現れると、想像していた過ぎ去った時間が現れて、包み込んでくるのです。
日本に幾万も山があるのに「百名山」とされるように、ひそかに、自転車名道もあるのだと、口ごもって、叫んでいます。
東城から小奴可へ走る国道に、古道が残された分岐がありました。そこにベージュの板に大正旅館と書かれています。そのわき道へはいると、古街道にある二階建ての家が数軒ならんで、そこに大正旅館とあります。
覗き込むのですが、はたして営業されてるのか、どうか。
出雲から備後の国を回って、名道をいくつかみつけて、それたちが、うっすらと繋がり出すと、それらを通しで走りたくなりました。地図へ名道を落としてみると、この大正旅館が中央にきます。全長260kmのうっすらと現れてきた名道の連結は、この旅館をはずしてはいけないと思い出しました。
先日予約のデポに旅館に立ちよりました。旅館隣の民家の前におられた老婆に、旅館やってますか?と訪ねると、つかつかと旅館の戸をひかれて、「おるん」と奥へ声をかけられます。すこしして、私の半分の身長ほどのおばさんが現れ、「うちでいいのですか?」。予約成功!!
あとは、なつかしい名道たちとの再会です。