いかに氷上回廊がフラットだといっても、それなりに土地土地の区分になる高低差を自転車が感じる。そこには才の神や地蔵がポツネンと置いてある。
その地蔵尊に「あごなし隠岐地蔵」と表示されてある小さな祠にであった。氷上に入る場所だった。この地蔵さまは隠岐の島からやってきた。顔の一部がかけていた。あごなしの所以なんだろう。
出雲の古代は国を引いたり、九州や新潟へ出かけたり、大和からやってきた将軍に脅されたりと、いそがしい。その移動したルートや有り様が気になってしかたない。というより、自転車でそんな歴史をなぞってみたい。
そうおもっているところに、隠岐の島がでてきた。陰陽の中間地点になる。
ただそれだけでも、なんだかこも道を通った古代の人に話しかけるような気分になった。
舞鶴のビジネスホテルについて、夕刻になった町にでた。御盆とあって営業してる店も少ないとは予想していたが、ナガーイアケードの商店街もお休みだ。でも、一泊つきのサイクリングはこの時間もおおきな楽しみ。メニューがどうの食材がどうの、なんて関係ない。ただただ地元を感じられればそれでいいのだ。そんな店を町めぐりしながら、探してみる。ホテルは海岸線にちかいところで、商店街まで路地がいくつも交差している。街灯もない。そんな暗闇にボーと明かりが見えて、ちいさなお店がぽつんとあったりする。
かなり歩いて、幾度もおなじところにでて、いくつかのお店をチェックして、ある一軒の食堂ときめて、もどってみると、もう店じまいしてあった。まだ7時なのに。
とまた路地へ。初めての通り。くらいカンバンに「隠岐」とあった。ここに決定!!
一人だけのお店のご主人が、この店は隠岐の友人とはじめたのだけど、帰ってしまったそうだ。
たくさんビール飲んでしまった。ホテルにかえれるのだろうか?
広島でいまごろ、暗闇にいきなり街灯が点灯する装置が増えたようだ。舞鶴の暗闇にはそんなものなかった。それどころか、家の中丸見え。みなさんねっころがってオリンピックみてました。