分水嶺は山にあるものだけど、ときに平野にもある。
丹波篠山からでる水は西に流れて加古川にはいり、くだって瀬戸内海へ。だが篠山のJR篠山口付近に宝塚へながれる川筋がある。それが武庫川となる。この篠山で二つの川が合流している。それは古代に篠山は湖でそこから武庫川をとおって瀬戸内海へながれていたという痕跡ではない。人口の運河がつくられたのだという。
その運河はいまもつながっているのか?
江戸時代に川舟運輸が加古川で発達し篠山まで登りだした。そこで明治になって加古川から篠山経由の三田行きの運輸水路が計画され明治7年に完成。しかし水量の不足等でわずか3年ほどで廃止された。その水路がいまものこっている。その水路はいまも北へも南へも水がながれるため、水門で調整されている。
その痕跡をさがしに、すっかり水の張られた田んぼの畦を歩いてみた。桜の古木から西へ真直ぐに小さな水路がのびていて、しばらくゆくといきなり立派な水路に変わる。
さくらの花びらの浮かぶ水面は、田にはられた水がながれこむからか、すっかり濁っていた。そのそばに小さな道が南へとのびている。三田まで30kmで50cmの勾配のルート。ほとんどに桜並木があって、向かい風にけっこう足つかわされた。桜の花びらが口にはいってくる。
物好きでないと、こんな走りしないだろうな、って自分をあきらめた。すぐに巨大な住宅地と、広い幹線道路とひろい駐車場の町へはいってしまた。はやく走り抜けよう。