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こひちろうの独り言


マネージャーの独り言を綴ってみたりします。
by forumhiroshima
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「佐伯」ということころ

広島から西へ向かう西国街道。海岸沿いに進んでいた街道は廿日市で明石峠から流れ出る御手洗川にそって峠へ向けて直角に方向を変える。その右手、宮園団地の高台の下に巨木が幾本も遠望できる境内の山王神社がある。
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南斜面のこざっぱりとした境内の巨木の根元にしめ縄が結ばれた岩がある。”神烏岩”と由来が標識にしてある。境内の神社由緒書に「古来厳島神社兼帯の一社・・社殿の建築資材など厳島神社から給されて・・神官がきて祭を行った」とある。ここに宮島のカラスの足跡。
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1km北の速谷神社境内をカラス探してウロウロしてきた。明治12年に新政府は各地の神社から由来社伝、祭神、宮司等の調査をおこない「神社明細書」をのこしている。速谷神社からの報告に、祭神を五烏神・ゴガラスとし、厳島神社よりも古くからこの地にあり、厳島の神が鎮座するとき、烏となって先導したとある。境内の倉庫らしい建物にあった神輿に厳島神社の神紋、境内には菊の御紋。「五カラス」は不在の様子です。
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速谷神社のHPには、神主さんとスタッフのブログがあって、神社のHPではとてもめずらしい。とても身近におもえる。交通安全のお祓いに他県からもこられるという。安全祈願のお祓いは広電御用達でもあるそうだ。

そのブログに、禰宜の櫻井氏は、”祭神は「飽速玉命・アキハヤタマノミコト」で成務天皇(131~190)の時代に「阿岐国造・アキクニノミヤッコ」を賜り・・”とある。出仕とある小野さんのブログも掲載されている。出仕は見習いらしい(ウイキ)。”阿岐国造の同祖が愛媛、山口ほか福島、宮城、佐渡を支配していたことが「国造本紀・9世紀ごろ」に記載され、・・これらがいずれも朝廷を守る最前線の地・・”とかかれます。
櫻井禰宜の別のブログでは”「飽速玉命」は阿岐氏一族の祖先神で、朝廷から国司が派遣される時代になると、郡や里の役人となり、各地に配置され、佐伯郡に配置された阿岐氏一族の佐伯氏が厳島神社の神主を務めた”と述べる。
ややこしい、祭神の由来。どんな神様でも交通安全していただけば!  ですが。

「佐伯」は、十世紀の辞典”和名抄”に”昔、国巣・クズ(ツチクモ)また(ヤツカハギ)という 山の
佐伯、野の佐伯ありき。あまねく土窟・ツチムロを掘り置きて常に穴に居み、人くれば穴にはいりて隠れ、その人さればまた野にでて遊ぶ。狼の性・サガ、フクロウの情・ココロにして、鼠に・ヒソカニうかがい、かすめて盗みて・・。山の佐伯、野の佐伯、自ら賊の長となり、徒衆・トモガラを率いて、国中をよこしまに行き、おおいにかすめ、殺しき”など記載される。まるでISIS。
ツチグモは竪穴住居を住居としていた弥生人たち・先住民を渡来してきた人々の印象なのだろう。この人々を蝦夷・エミシとも呼んだ。

日本書紀に「日本武尊・ヤマトタケルが伊勢神宮にたてまつった蝦夷たちが昼となく夜となく騒ぎ立てた。そこで大和の三輪山のふもとに移したが、三輪山の木を切り、里人をおびやかすなどの手におえない行為があったので、播磨、讃岐、伊予、安芸、阿波に移した。」日本武尊は櫻井禰宜のブログにあった阿岐国造を付与した成務天皇の兄にあたる。「仁徳38年の条に猪名県(兵庫・尼崎)の佐伯部を安芸の沼田・ヌタに移したとある。いまの竹原付近とみられる。さらに佐伯部がさらに西にうつされつくられたものが佐伯郡であろうと”大日本地名辞典 吉田東伍”にある。 佐伯国造はヤマト朝廷の側の人間と蝦夷の豪族との混血の系譜のものが国造に任ぜられた可能性があると・・  谷川健一 白鳥伝説”

速谷神社の創建伝承に佐伯氏は阿岐氏一族でその末裔が厳島神社の神主をつとめたとある。

宮島・厳島神社の創建伝承(広島県のむかし話より)
安芸国を管理していた佐伯鞍職・サエキノクラモトが大野瀬戸で釣りをしていて、西から紅の帆をあげた船が市杵島姫・イチキシマヒメをのせてやってきて、この島、厳島に御殿をたてるといった。そこで鞍職は建立許可をもらいに都へたつことにした。姫は「都の空に不思議な星が現れ、ササの枝をくわえたカラスが帝の御殿に入るであろう。それが証・アカシになろう」といい、予言どおりにカラスが現れた。それで帝は許可した。島に帰着すると、弥山からカラスが舞い降り建立場所を指し示した。そのカラスを神鴉とよぶ

厳島神社本殿の東に三翁社がある。清盛が琵琶湖湖畔、大津の日吉神社から勧請したと伝えられる。三王社であった。廿日市の宮内山王社のカラスを思い出してほしい。厳島・山王社は三翁社と変わり、中央に所翁、右の左殿に岩木翁、左の右殿に徳寿内侍、竹林内侍(厳島神社の巫女)。祭神はこれ以外にも挙げられる。これまでたくさん加祭されてきたという。平清盛も祀られていたが、別けられ本殿西の清盛神社を創建しそこに祀られている。府中町にも三王社が鎮座している。
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翁は歳月をくぐった神を表し、翁、媼は能などで演じられる。中央の所翁は佐伯鞍職のことで、岩木翁は市杵島姫が鎮座したとき、五烏が廿日市・上平良、速谷神社所在に現れ、岩に留まり、この烏を岩木翁が祀ったという。

速谷神社と烏の関係がやっと現れた。速谷神社の境内のそば右に巨木にだかれて岩木神社の祠が鎮座している。速谷神社は岩木神社を鎮座以前からの土地神とされている。五烏伝承は岩木翁に関わることであるとされているようだ。
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平安時代の「延喜式」神名帳には”安芸国一座”とあるように、厳島神社の格より上であった。このプライドはおおきなモチベーションをもっているだろう。日々、神と対面されている生活を支えている信仰は伝承では測れないのだ。

もう一つの翁の所翁は、どのような神なのか。佐伯杵職には、大竹の小瀬川のそばが住居だったという。さぁて。

速谷神社HPのブログで速谷神社の位置を厳島神社の真北だろうとあって、地図でやってみた。この作業は得意です。残念でしたが、真北は地御前神社になる。管絃祭で御座船が向かう社。ふと大頭神社の位置を調べると、真西になる。これって、どうなん!
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三翁神社の隣の荒胡子神社がとてもきれいになった。宮本常一はこのエビスが瀬戸内で一番古いエビスだといっている。宮島の賑わいはこの神様の鎮座によるのか、な。
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by forumhiroshima | 2015-02-19 22:12
<< 所の翁 烏は「ガァ」と啼く >>


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