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こひちろうの独り言


マネージャーの独り言を綴ってみたりします。
by forumhiroshima
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安芸太田町 中世の豪族・栗栖氏

中国道・戸河内インター近くの、ひな壇状に点在する赤瓦の民家の町が「上殿」。高速道からは譜面にみえる。
安芸太田町 中世の豪族・栗栖氏_d0089494_15152843.jpg
三段峡へ向かうと潜るトンネルの尾根に栗栖氏が最初につくった土居の発坂城址があり14世紀初頭とされている。東隣尾根に連続して栗栖氏の岩田城址がある。その城址の尾根裾が流れ落ちる「上殿」集落に箕角八幡神社が鎮座し、すぐそばに宗玄寺がある。この八幡神社は大歳神社であったと角川地名辞典にある。
安芸太田町 中世の豪族・栗栖氏_d0089494_15134806.jpg
「われわれの祖先の多くが、農耕に従事し、生活を楽しんだ平野には、中世の遺物・遺跡は豊富である。“立ノ内”“辰ノ越”などは武士の居館であり、近くに菩提寺の跡があろう。背後の城山は戦時にたてこもる要害である。居館(タテ)よりさがったところに「屋敷」の地名があるが、ここは名主・ミョウシュのいたところで、・・・・戦国末期の兵農分離の過程で、大名の家臣団に編入され、村を去った。その残された屋敷神が村の鎮守となってくる。そのまま農村にとどまれば、庄屋として村落共同体の首長になる。 石井進」
“山城址”の教育委員会の標識近くに神社があり、集落に寺院、のトイラアングルが田園の集落に残されていることに中世の時間があること、驚いた。すこし景色を見る目が変わった。戦国の時代が頭を駆け巡る、そんな集落が「上殿」だった。いまも中世の精霊のただよう時間に町が見え始める。
安芸太田町 中世の豪族・栗栖氏_d0089494_15173274.jpg
山城址は全国に三万とも四万ともあるといわれ、それは14世紀からの300年間に築かれた、という。山に見張場をつくることが、支配者の気分があったのだろうか。文化庁宗教年鑑で神社が88600社、摂社・末社含めて30万とも。寺は77350寺とある。どうりで、そこかしこで、マジ、どこでも、中世トライアングルか?と、妄想してしまう。

たとえば?土居の大歳神社は栗栖氏の祈願所なのか、また彼らの館の跡なのか。土居は館にめぐらした空堀をいう。だから、・・・?と。
安芸太田町 中世の豪族・栗栖氏_d0089494_15162716.jpg
岩田城址、箕角八幡神社に宗玄寺のトライアングルが中世を残しているといわれる。寺が栗栖氏の館跡なのだという。宗玄寺に石碑がある。
「今は、この辺りを「考哉河内」と呼ぶが、昔は「高野河内」であったことを示す貴重な碑である。栗栖氏と高野山とは丹(朱)の産地を通して関係が深い。昔、太田地方は丹を多く産出して、栗栖氏の豊かな財源になっていた。栗栖氏が高野山へ献じ物をするための土地であったと考えられる。」
安芸太田町 中世の豪族・栗栖氏_d0089494_15181259.jpg
「広島に住んでいます。田舎は戸河内で、そこら一帯、栗栖ばかりなんですけど。その辺りに昔、栗栖の殿様がおって、栗栖の城もあったらしい・・」ネット「全国栗栖会コミュの栗栖族って」を見つけた。ホント!安芸太田は栗栖さんでいっぱい。栗栖が多くて、栗栖のカンバンや表札を数えながら走ったことも。そのHPに各地の栗栖さんが書き込んでいる。戸河内の栗栖氏はどこからやって来たのだろうか。

栗栖氏は関東・下野国岩田からの説、京都・山科の栗栖野からの説、和歌山市栗栖からの説、等々。和歌山に自分は特別な思いいれがある。

紀氏・栗栖氏とある戸河内・栗栖氏の記録がある。和歌山県田辺市から東征に向かう、熊野古道・中辺路途上、ここから山岳ルートの起点にある中辺路町栗栖川を思い出す。栗栖と書かれたカンバンは気にしてなかった。熊野古道は地味な古風がある道で錆びたシャーターが目に付く。栗栖とあるカンバンは印象にのこっていない。それは、きっとここからの登坂が怖かったから、景色を見る余裕なかったのかも。
熊野古道・辺路道の王子と呼ばれる点々と置かれた祠をたどる道に初めて「辺」・あの世の境、清濁の境をここと決めた人々がいたこと、を発見した道だった。最初に神の所在を感じた人が、そこを石や木によってマークする。そのマークは伝えられ、そこにまた神の所在を見つかられると、そこが人々に認知され、ある機会に祠にする人があらわれ、そこが王子と伝承される。そして境界が辺路になり遍路になる。やはり、遍路には、その名だけで、なにかを生まれさすなにか、があるのかな。長い人々の思いの時間の蓄積が、走る気分を熱くする。
中辺路が登り連続になって「こんなバカなこと、どうして、?」と思ったとき、非日常のサイドに入った。日常の向こうに渡った。境を越えたと「王子」が教えてくれた感覚があった。が、息は切れ、足は止まり、腹が減っていた。夢みていたようだった。今、あの時を思い出した。

栗栖氏が最初にこの地に現れたそのルートはきっと船だろう、と妄想する。
5世紀雄略天皇の時代に半島の新羅に征新羅将軍として紀小弓が派遣されたが現地で病死。その子、小鹿火は帰国し朝廷に角国にとどまり住むと願い出て許されている。そののち、名を角臣とした(日本書紀14巻)。この角国・ツヌコクは山口県都濃郡に古代あったという紀村とされる(岸俊男)。この角臣の一族に紀・坂本臣があり、8世紀に半島の製鉄技術者集団の韓鉄師たちが坂本臣の氏姓を賜った。近世に大朝、可部、そして岩国は鋳物の中心地となった。
紀・栗栖氏は丹だけでなく、鉄などの鉱山経営に関わってゆく一族のバックボーンがあった。と妄想する。箕角八幡神社の「角」がツノでは、と思ったりしている。

紀氏・栗栖氏2代目帰源は、僧・栗栖帰源禅門になり、京都・東福寺住職・雪舟喜猷を開基として招聘し、戸河内・土居・実際寺を創建(1366年ごろか)の記録がある。豊臣秀頼寄進の3つの橋廊と紅葉の東福寺は鎌倉幕府の唐船つまり貿易船を運営した巨大寺院。戸河内に貿易の専門家の坊さんがやってきていたことはすごい。14世紀ここに中国大陸との接点・境があった。ここに世界に向かうエネルギーがあった、と思った。


by forumhiroshima | 2018-04-08 15:21
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