こひちろうの独り言


マネージャーの独り言を綴ってみたりします。
by forumhiroshima
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スサノオが来た訳

県北の東城の町周辺をうろついている。

小奴可はその東城の町から北上して道後山にぶつかる裾野にある集落である。この地を知ったのは、ここで砂鉄を採取するためにカンナ流しがさかんにおこなわれ、土地の景観がかわったことを知らなかった、東京の高名な学者が小奴可地形となずけて、特異な土地だと感嘆した。が、そこは地殻の変動へ出現したのではなく、山を崩し砂を高圧な水で流し、比重差で砂鉄を採取したあとだとわかって、また中国地方ではそこかしこで出現する景観であることが、のちにわかったという。

古代韓国のソシモリにいたスサノオは「ここは自分の居るところではない」、と出雲へと直線的にきたことになっている。
古来鉱山師は森を目指し、そこで木々を炭に替え、高熱を出現させて金属を精錬する。そうして森を伐採しつくすと、また他の森をめざす。
スサノオはまた石見へも上陸した神話をもつが、その神話にはイソタケという木々の神を同伴している。

スサノオたちは森を目指し炭を焼き、赤土にふくまれる砂鉄をカンナ流しで採取して鉄をつくったといわれる。

小奴可の集落の北に道後山がそびている。この山はカンナ流しのために山頂をけずられ、その土砂がここを流れる川を伝い下って、岡山の倉敷へと流れ込み、ここに平野を出現させたという。道後山の二つある山頂のひとつは岩樋山と呼ばれる。水路を樋という。岩をくりぬいて水をながしたのだろうか。
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尾根では小高い標高をつかいらせん状に水路をつくり水圧をあげて、土砂をながす。そのためことろどころに鉛筆の先のように小山がのこり、その周辺は流された土砂が平たくのこり田畑になる。家屋はその小山そばに点在する。ながされる土砂が傾斜地にむかえば、そこに石垣をきずいて受ける。それが棚田になっていたりする。

小奴可は緑の鉛筆の先が大小ほこほこと点在して、実りの秋の黄金色の海のなかの小島のようだ。
d0089494_1344157.jpg


そんな景色の中鉛筆の先をめぐる小道にはいくつものコンバインがうろうろとうごいていた。
この景色は石見でも出雲でもであう。おおきな鉛筆の先の小山には一本の巨木とそのしたに小さな薬師の祠が配置され、巨木はときにヒガンザクラであったりして、春にはテレビにうつしだされたりする。ちいさなエンピツの先には古来からの神社が置かれている。

この景色をさがして走っている。古代から営々とつくりあげられた人間たちの営み。スゴイ!と思っていた。
が、先日ある鉄の歴史書が出版された。古代から発掘される鉄の原料は砂鉄でなく磁鉄鉱で、ほとんど原産地は中国であるという。その持ち込まれた鉄素材を炭でとかし、かたい鉄につくりかえる。その過程で触媒として砂鉄がつかわれているのだそうだ。砂鉄から鉄を取り出す作業はずっと下って、室町時代ごろだという。古代の溶鉱炉からは、磁鉄鉱が分析されるのだそうだ。

スサノオはそのふところに磁鉄鉱をいれて、森をめざして石見や出雲へとあらわれたことになる。はるばるやってきた小奴可は製鉄のずっと新しい時代の景観ってことになるのだ。

てっきり出雲の砂鉄がこの国を席巻したとばかりおもっていたのだけど。
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by forumhiroshima | 2008-09-29 13:44
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